東芝 内部監査に外部専門家

東芝が会計監査人の交代制を検討しているとか、有価証券報告書の提出を再度延期したとかの報道で、ざわついている会計士業界ですが、ちょっと別に8月18日付けでリリースされた「新経営体制及びガバナンス体制改革策並びに過年度決算の修正概要及び業績予想について」について言及したいと思います。

ここでは経営体制の刷新とともに監査機能の強化が記載されています。なかでも内部監査機能の強化については

十分な予算を確保し、独立した外部弁護士及び外部公認会計士を積極的に利用できる体制を整えます。

と書かれています。

こういった非常事態でなくても上場企業として内部監査は一定水準以上の機能が求められています。数年前に導入された内部統制報告書制度(いわゆる「J-SOX」)で一時期盛り上がりを見せました。そろそろ当時の担当者も異動などでいなくなったり、書類だけ整っていればよいといった形骸化が始まりつつある頃ではないでしょうか。

何千人も社員がいる超大企業は内部監査のために人員を多く抱えることができますが、そうでない上場企業はなかなか難しいのが現実だと考えます。
内部監査を行いうる人材は会社のビジネスプロセスをよく理解している必要があり、ともすれば現業部門でも十分戦力になる人です。

内部監査のアウトソーシングがもっと一般的な選択肢になればと思いました。

freee株式会社が35億円の資金調達を実施

少し前にクラウド会計ソフトのfreeeさんが資金調達のプレスリリースを行いました。
http://www.freee.co.jp/news/seriesc-4295.html

当事務所はfreeeを使っています(というかfreeeしか使っていない)。
これを機会になぜfreeeを使っているのかを書いておきたいと思いました。

理由はいくつかありますが

一番大きな理由が
freeeの企業理念である
「スモールビジネスに携わるみんなが創造的な活動にフォーカスできるよう」と、
当事務所の付加価値として重視している
「事業者が本業に集中できる環境を提供する」が、ほぼ一致していること。
この価値観が同じであれば、今後のfreeeのバージョンアップの方向も当事務所のクライアントが求めているものを実現してくれるのではないかと考えた次第です。

本来であれば他のクラウド会計ソフト、インストール型の会計ソフトを使って比較のうえでクライアントに適したツールをお薦めするべきだとは思います。
一方で当事務所は私1人でやっている事務所。
まずはfreeeを使いたいというクライアントに徹底的にfreeeを使ってサービスを提供し、そこで見えてきた要望なりを会社に伝えより良いサービスに成長していってもらった方が中途半端にならず、みんなにとって良いのではないかと考えています。

おかげさまでクラウド会計ソフトのシェアはここ半年で倍増しているとの統計データもあるようで、freeeを使いたいと思う事業主はこれからも増加が見込まれます。
当面はfreeeのみに対応した会計事務所として、その代わりfreeeや周辺のクラウドシステムとの連携に圧倒的に強い会計事務所として特徴付けていきたいと思います。

メールの整理

おかげさまでクライアントの数が増えてくるとメールの数、種類も多岐にわたるようになります。
(様々な業者からの情報提供と称した営業メールもかなりの数に・・・)

また、クライアントに訪問する際に過去のメールを検索して見直すのもしんどくなってきました。
メールの種類は以下のような要素を持っているように思います。

  1. 返信が必要なものか
  2. 何らかの対応が必要なものか
  3. クライアントとのやり取りに関するものか
  4. 情報として取っておく価値があるか
  5. 上記のいずれでもない

 
これらを整理するために1はすぐに返信してしまうものを除き返信+下書き保存にして忘れないようにする、2はToDoを管理しているNozbeにメールを転送(そうするとNozbeのInboxにタスクが溜まるので期限やスケジュールを設定しつつ対応)、3と4はEvernoteにメールを転送(Inboxにノートとして溜まるので適宜ノートブックを整理して、必要な時に見直す)、5はゴミ箱へという形で処理するようにしてみました。どれぐらい生産性が上がるか楽しみなところです。

タスク処理のタイミング

我が家は私を含めて夜は弱いです。
夜、ゆっくりと思索に耽りたいとは思いますが、夕飯を食べて寛いだらもう眠くなってしまいます。

そうは言いつつ、日中にもらったメールの返信などちょっとしたタスクは残っています。
今日中にやればすっきりするけどなかなかやる気になれない、明日にしたらやるべきことを忘れてしまうかもしれないなどと次元の低い逡巡があります。
これまでは結局寝てしまい、翌日妙な敗北感を覚えていましたが、やり方を変えてから少しすっきりしました。これにより夜は安心して寛ぐことができています。

そのやり方とは、
Nozbeというタスク管理のWebサービスにやるべきことをリストし、翌朝にアラームをセットしておきます。
翌朝起きたら、タスクリストに沿ってタスクをこなします。
すっきりした頭でタスクに向き合うので、昨晩想定していたよりもはるかに素早くタスクをこなすことができるのと、Nozbeのタスクリストをクリアしていく感覚がちょっと快感です。

おかげさまで

最近、税務顧問のお仕事が一気に増えてきました。
7月から立て続けにご紹介をいただき、またそれ以外のルートからもご相談をいただくなどして、税務顧問のクライアントが増えました。

昨年末のブログで書いたように、うちの事務所はクラウドの業務システムを駆使してバックオフィス業務をこなしています。

中心となるのはクラウド会計システムのfreeeなわけですが、ご紹介いただくお客様は「freeeを使いたいのだけれども、対応してくれる税理士を探していた。」「いまの税理士はfreeeに対応してくれない、分かっていない。」といった方がほとんどで、このニーズは結構あるのではないかという気がします。
私の場合、freeeへの対応だけでなく、自分の事務所で構築しているクラウドシステムによる業務効率化も同時に奨めています。販売系は業種によってマッチする場合とそうでない場合があるのですが、経費システム(Streamed)は初回訪問時にScansnapでデモを行い説明をすると、大変よく刺さります。

ここ最近の顧問数の増加によって、freeeのアドバイザー検索の順位も東京都で20位台に入ってきたので、この調子で上級アドバイザーまで持っていきたいと思います。

やっぱりアウトプットが大事

ものすごく久しぶりの更新になってしまいました。

プライベートなことはFacebookに投稿しているので、このブログでは会計士・税理士としての書き込みにしています。
プロとして投稿するのだからキチンとした内容を漏れなくとか、こんな投稿をしたら意見の違う人がいるのではないかと、勝手に自分で枠を嵌めてしまっていたのかもしれません。

せっかく独立したのですから、もっと自由に投稿していこうと思います。

クラウド経営管理システム「board」のユーザーインタビュー記事

独立開業してまもなく使い始めたクラウドシステム「board」のユーザーインタビューを受けました。

当初は、売上の件数も少なく(今でもそんなに多くないですけど・・・)、会計システムfreeeの機能で事足りると思っていたところ、このサービスを知り、さっそく導入しました。見積書や請求書がその都度MS-Wordなどで作成する必要がなく、一気通貫で作成でき、さらにメールで送信できる機能も付いています。

そしてこのサービスは、開発元のヴェルク(株)さん自身(=受託型ビジネス)が使いやすいように開発していて、これが会計士・税理士業務と極めて親和性が高いです。
また「経営管理システム」と銘打たれているように、売上見込みなど事業主としてほしい情報が取れるのも大きな特徴。これで、「この月は売上が落ち込みそうだから、今のうちから積極的に受注活動しよう。」といった具体的な行動が起こせるのがよいですね。

https://the-board.jp/blogs/interview_ko_cpa

濃密ウィーク

先週は時間的に忙しいというよりも、内容の濃い一週間でした。
Googleカレンダーを見直していて前半の予定など、まだ一週間しか経っていないのかと思ってしまいます。

そのうちのいくつかを備忘録的にご紹介します。

1.ベンチャー企業の監査役就任
3月20日(金)の株主総会において、私はGreen Earth Institute株式会社の監査役に就任いたしました。
当社は独自のバイオリファイナリー技術を有したベンチャー企業です。
監査役として当社の健全な発展、成長に貢献したいと思いますので、みなさんどうぞよろしくお願いいたします。

2.士業向け業務処理システムについて
これまでのブログで当事務所の業務処理システムをご紹介してきました。
他の士業の方にもおすすめできるのではないかということで、会計士・税理士ではない士業の方にお話をお伺いする機会をいただきました。
結論から言うと、士業によって様々な業界慣行・入金スキームがありなかなか難しいなというものです。会計士・税理士なんてすごくシンプルなビジネスモデルなんですね。
でもこういうことがわかっただけでも収穫でした。

3.若手会計士の交流会において
金曜日の夜に20代~30代の会計士を集めた交流会がありました。私はこの年齢制限から外れ、もはや若手ではないので主催者に問い合わせたところ、「若手に刺激を与えて下さい!!」と参加を快諾いただきました。
結果、刺激をいただいたのはむしろ私です。
さて、そこで知り合った方と内部統制について意気投合しました。

・内部統制はやり過ぎると事業の成長の妨げになるというのは決して正しくなく、伸びている会社ほど「内部統制」を上手に使いこなしているという現場感覚が共有できました

・内部統制関連の書物ででてくる「経営者」という言葉について、一般に「経営者」というと会社の社長とかせいぜい役員クラスをイメージしますが、内部統制の様々な記述の中の「経営者」にずっと違和感を覚えていました。中には本当に社長・役員クラスを想定しているものもありますが、本来はもっと中間管理職を想定した方が理解しやすいのではないかという文脈が多くあります。私の理解は決して間違いではなかったことが確認できました。

4.慶應ビジネススクールのヘルスケア・マネジメントセミナーに参加して
2月21日(土)、28日(土)、3月21日(土)と3回にわたり開催されたセミナーが、21日(土)が最終日でした。
当初参加募集があった際、それなりの費用で10秒ほど躊躇しましたが、ちゃんと投資しなさいとの神様のお告げだと考え、申し込みました。神様は正しかった。
医療保険制度、介護保険制度の本当の背景やデータと情報の違いなど多くの気づきを得ることができましたし、グループディスカッション、交流会を通じて多くの方とご縁をいただけたことが収穫です。

http://www.kbs.keio.ac.jp/event/healthcare2015.html

e-taxを始めるまでの手順(最短・・・だと思います)

確定申告の時期になりました。
私自身の確定申告は還付ポジションだったため、2月初旬に提出しました。
電子申告を行ったのですが、クライアントにも勧める場合、その手順をマニュアルにしておこうと思います。
まず最初にお伝えしておきたいのは、e-taxのホームページで進んで行くとかなり高い確率で迷子になりますし、e-taxを始めるまでの途中に様々なクエストが用意されています。
e-taxの導入にあたり大きなハードルになっているように思います。e-taxはやってみると非常にラクで、時間に関係なく自宅のPCで提出できる、医療費明細などの証憑の添付が省略できる(保管は必要)、還付金の処理が早いなどメリットが大きいです。
RPGゲームだったらクエストのクリアも楽しみの一つですが、これは単なる手続ですので、最短距離で行きたいものです。

記事の目次
1.用意するもの:電子証明書とICカードリーダーが要ります
2.利用者識別番号の取得: http://www.e-tax.nta.go.jp/todokedesho/kaishi3.htm から申請できます。
3.申告書の作成・送信:
e-taxソフトのダウンロードサイト http://www.e-tax.nta.go.jp/download/e-taxSoftDownLoad.htm
e-taxソフト(Web版)サイト http://www.e-tax.nta.go.jp/e-taxsoftweb/e-taxsoftweb_kakunin_win8.htm
国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」 https://www.keisan.nta.go.jp/h26/ta_top.htm#bsctrl

決算書や申告書の作成を税理士にお願いしている場合には、上の手続を納税者が行う必要はなく、すべて税理士が行うことができます。

1.用意するもの(税理士に代理送信してもらう場合は不要)

・電子証明書
→住民票のある市役所に出向いて申請します。残念ながらここはPCだけでは完結できません。確定申告の期限ぎりぎりだとここでいきなり躓くポイントです。

・ICカードリーダーライターの購入
→Amazonなどで購入することが出来ます。様々な製品がありますので、e-taxに対応しているかどうかを確かめて購入します。
  

2.利用者識別番号の取得(税理士に代理送信してもらう場合は不要)

ICカードやリーダーといった物が揃ったら、「利用者識別番号」を取得します。
「利用者識別番号」でググるとこのページに誘われます。
利用者識別番号の取得1
説明書きを読んでいくと、利用者識別番号を入手するには「開始届出書」なるものの提出が必要だとか。オンライン提出と書面での提出の両方が選択できますが、ここまでお読みの方は当然オンライン提出ですよね。

画面左のリンク先を踏んでいってもたどり着けますが、ここにショートカットのURLを示します。これで一気に開始届出書の選択画面に飛ぶことが出来ます。
http://www.e-tax.nta.go.jp/todokedesho/kaishi3.htm
開始届出書提出3
この画面が表示されたら、個人か法人かを選んで開始届出書を作成します。

<ここでは個人の場合を示します>
開始届出書の作成1 開始届出書の作成2 開始届出書の作成3
こんな感じの画面に入力を続けていくと、利用者識別番号がすぐに発行されます。

3.申告書等の作成(税理士に作成を依頼してる場合は不要)
申告書等の作成にあたっては以下の3つの方法があります。私は1のe-taxソフトをダウンロードして作成・送信しました。

  1. e-taxソフトをダウンロードして申告書等を作成・送信する方法
  2. e-taxソフト(web版)を使って申告書等を作成・送信する方法(ブラウザはwindowsの場合、IEでないとはじかれます)
  3. 国税庁ホームページ「確定申告書等作成コーナー」から作成・送信する方法

社会福祉法人制度改革についての報告書

2015年2月12日付けで社会保障審議会福祉部会(厚労省)から、社会福祉法人制度改革についての報告書が公表されました。
この報告書のうち、公認会計士に関連する項目として、監事の選任と会計監査人の設置が挙げられます。背景としては社会福祉法人の理事の専横、財務諸表への不信感があると報告書には記載されています。

一定規模以上の社会福祉法人には会計監査人の設置を義務付け、そうでない社会福祉法人には公認会計士または税理士よる財務会計に係る体制整備状況の点検(ダイレクトレポーティング方式による内部統制監査のイメージか?)か監事に公認会計士または税理士を登用することを指導する必要があるとしています。ここでいう一定規模以上とは収益10億円以上または負債20億円以上の法人としてあり、会社法の規模感よりもずっと小さな規模感となっています。この基準ではかなりの数の社会福祉法人が会計監査人の設置を要求されるのではないでしょうか。また、この社会福祉法人の取扱いは、医療法人改革においても確実に参考とされるはずですので、そちらの方への影響も目が離せないでしょう。

いずれにしても、非営利セクターにおいても公認会計士・税理士が求められるようになりそうです。

社会保障審議会福祉部会報告書~社会福祉法人制度改革について~